2011年5月18日水曜日

Amazonほしい物リストを買い物メモとして活用する<実践編>

前回の<思想編>ではアマゾンの「ほしい物リスト」でウィッシュリストを管理する意義について紹介しました。そのポイントは(1)データ管理の一元化と、(2)どんな環境でもリストを参照できる環境にありました。アマゾンの「ほしい物リスト」は、PCとiPhoneの組み合わせで使うことで、クラウドの理念を最大限に活用することができます。

しかし、いざ実践しようとするときに、ほしい物リストへの登録が面倒だったら長続きしません。(どんなことでもそうですが、いくら理念がしっかりしていても、実践が「苦行」であってはモチベーションはなかなか維持できません。)

そこで今回は、PCとiPhoneを活用して「ほしい物リスト」を運用する方法をご紹介します。


ワンクリックでリストに簡単追加
とにかく、気になる本を見つけたら、「ほしい物リスト」に追加する習慣をつけておきましょう。「絶対に買う」というレベルではなくても、気になった本をとりあえずリストに入れておくのがおすすめです。

私が欲しい本を見つけるシチュエーションは
  • ブログで本が紹介されてるとき
  • TwitterのTLで誰かが本をお勧めているのを見たとき
  • オンライン書店でおすすめされているのを見たとき
  • 新聞の読書欄をチェックしているとき
  • 新聞の広告欄で新刊を見つけたとき
  • 書店で本を探しているとき
PCが使える環境であれば、ネットで探してその場でリストに追加、そうでない環境であればiPhoneを活用するようにしています。

(1)PCのブラウザから登録する
PCが使えるなら、リストへ追加の作業はとても簡単です。

↑アマゾンのサイトで商品を探して、「ほしい物リストに追加する」ボタンをクリックするだけ。最近では、ブログで本を紹介しているとアマゾンへのリンクが付いてることが多いので、目的のページにすぐに辿り着くことができたりします。

また、アマゾンでは、ほしい物リストに楽天などの他のサイトの商品を登録できる「なんでもほしい物リスト」という機能があります。

その場合は、ブックマークレットや拡張機能を使います。いずれもワンクリックで登録が可能です。ウェブを見ているときに気になる本に出会ったら、とりあえずほしい本リストに登録しておくようにします。ブログや新聞の書評サイトを見ているときに忘れないうちにリストへ入れておくと便利です。

↑私はGoogle Chromeの拡張機能を使っています。
ブラウザの右上にアイコンが表示されるので、気になる情報を見つけたら、ここをクリックするだけです。Internet ExplorerやFirefoxでは、ブックマークレットを利用することができます。いずれもワンクリックで登録できます。

↑実際に朝日新聞の書評ページで見つけた本を登録してみたところ。表紙の画像も表示できるので、書店で探しやすいです。

(2)iPhoneから追加する
iPhoneからほしい物リストに登録したいときは、おそらく手元にPCがないときではないでしょうか?そんなときにアマゾンのiPhoneアプリ「フォト検索」を活用するという方法もあります。

「フォト検索」とは、本の表紙を写真で撮影すると、その本を探してくれる機能。新聞や雑誌の書評欄に表紙が掲載されていた場合、それをiPhoneで撮影します。すると、だいたい10秒~20秒くらいで割と正確に探し当ててくれます。そのままアマゾンの詳細ページから「ほしい物リスト」へ追加するボタンをクリックすればOKです。

↑iPhoneの「その他」を選択して「フォト検索」を選びます。

↑本の表紙写真を撮影するとピンポイントで商品を当ててくれます。新聞の広告欄などに掲載されている表紙の写真でもOKでした。

↑商品詳細ページの一番下の「ほしい物リストに追加」をクリックします。

その他にもiPhoneからブックマークレットを使って追加する方法もあります。
この方法については別の記事で紹介したいと思います。


書店でほしい物リストを瞬発活用
リストを作成して書店に出かけたら、実際にiPhoneのアマゾンアプリを起動してみましょう。
書店に出かけたら、iPhoneのアマゾンアプリを立ち上げます。

↑「ほしい物リスト」をクリックすると、これまで貯めてきたリストが表示されます。「なんでもほしい物リスト」で追加した朝日新聞の書評の本も、ちゃんと表示されています。

ただし、残念なのは、PCからリストに追加する際に記入できるコメントの閲覧・編集がiPhoneからはできないこと。これは今後の改善に期待。

とにかく、iPhoneでほしい物リストを見ながら、気になっている本を書店でチェックしてみましょう。

それに、書店で気になる本に出会ったら、その場でアマゾンで検索して、ほしい物リストに追加してもいいでしょう。

↑チェックをしたらリストから削除することもできます。削除するには、しゃっと指を横になぞるようにして「削除」アイコンを表示させます。

※ただし、個人的には、ほしい物リストの中身は削除しません。そのあたりの考えは、また別の記事でお話したいと思います。

とにかく、アマゾンのほしい物リストは、とてもサクサク動く印象があります。一度3G経由で読み込むと、あとはスムーズです。


前回と今回の2回で、PCとiPhoneを活用してリアル書店での時間を有意義に活用するためのTipを紹介してきました。

自分のセンサーに引っかかった本を、その瞬間にウィッシュリストに入れおくことはとても価値があると感じています。その時々の自分の問題意識や関心がそこには詰まっているからです。

そこには、自分が抱えている課題を乗り越えるヒントを与えてくれる1冊が含まれているかもしれません。その1冊と確実に出会えるように、ほしい物リストを活用してみるのはいかがでしょうか?

2011年5月16日月曜日

Amazonほしい物リストを買い物メモとして活用する<思想編>

1年くらい前に書いた記事で、RTMを活用した「欲しい本」リスト作りについて紹介しました。

私の場合、定期的に書店をめぐるのが学生時代からの習慣になっています。せっかく書店に行ったのですから、目当ての本に漏れなく目を通すようにするにはどすればいいか?その方法をこれまで色々と試してきました。

気になる本が毎日数冊くらい出てくるため、リストは膨大になります。さすがにすべてを覚えるのは非効率なのでリスト作りは必須です。書店ではリストをもとに、買うべき本をピックアップしていきます。

そのリスト作りでポイントになるのは

  • リストデータを一元化できること
  • どんな環境でもリストを参照できること

去年まではRTMを利用していましたが、最近はアマゾンの「ほしい物リスト」を使っています。書店でアマゾンのiPhoneアプリを立ち上げて、「ほしい物リスト」の本をチェックしていきます。

アマゾンの「ほしい物リスト」は、その名の通り、欲しい商品を管理できる機能。アマゾンが取り扱う商品だけでなく、楽天など別のサイトで販売されている商品も加えることができるようになりました。

それによって、欲しい本をクラウドで一元管理して効率化することが可能になったわけです。
今回はアマゾン「ほしい物リスト」を活用するやり方を、<思想編><実践編>の2回に分けてご紹介したいと思います。


一元化とクラウド
絶対に購入するとまではいかなくても、どんな内容か気になる本は多いと思います。私は、そういう本は必ずどこかに書き留めるようにしています。なぜなら、その時に気になる本は、その時々の自分の関心や課題を反映しているはずだからです。それが新しいアイデアをもたらしてくれる可能性もあるはずですし、その機会を逃さないためにも記録しておくことが肝心です。

忘れないぞと思っていても、人はメモをしないとすぐに忘れてしまうもの。頭の中においておくだけでは必ずどこかに行ってしまう。もしかしたら、それが自分の課題のヒントを与えてくれる1冊かもしれないとしたら、もったいない話です。

私はこれまでいくつか方法を試してみました。
中学生から大学までは、自分のメモ帳にひたすら書いていくという方法です。中学・高校の時代はPCがなかったですし、私が大学の頃はPCがあっても持ち運べるような物ではありませんでした。メモ帳を何冊も持ち歩くことはしていなかったため、様々なメモが一つのノートに混在してしまい一元化と効率化という点で問題がありました。

アマゾン「ほしい物リスト」のようなウェブサービスは、その課題を解決してくれる一つの有効なツールです。


(1)リストデータの一元化
例えば一部は紙に書いたり、別の一部はPCのメモ帳に保存したり、はたまた携帯メールの中に入っているケースもあったりという状態だと、必要な情報をいざという時にすぐに取り出すことが出来るでしょうか?(余程の記憶力の持ち主でなければ難しいでしょう)

効率的に運用するためには、とにかく一つのものを見ればそこに全て収まっているという安心感(安定感)が求められます。

RTMを使ったほしい物リスト管理も「一元化」には変わりありませんが、大きな欠点がありました。それは、「ほしい物リスト(wishlist)」と「タスク」という異なる性質のものを一つのアプリケーションで管理してしまったことです。「◯◯という本を買う」と決まっていれば「タスク」として管理できるのですが、私はそこにあらゆる本を登録するのでタスク管理アプリが本来の機能を果たさなくなっていきました。

一つのアプリで様々なものを管理できるのは効率的に見えますが、本来的にはそれに特化したものをそれぞれ活用したほうが効率的で管理がしやすいという側面があることに気付きました。アマゾンの場合、ほしい物リストをオフラインでは参照できないというデメリットがありますが、専門特化したアプリで管理することのメリットは使いこなすうちに分かってきました。


(2)どんな環境でもリストを参照できること
自宅PCの「メモ帳」ソフトに保存してローカルにしかデータが存在しないため、外出先でいざという時にそれを活用できなかったという経験をしたことはないでしょうか?

書店でこのような事態に遭遇したと考えてみましょう。忙しい時間の合間にようやく書店に行けたのに、手元にメモを持っていない。自宅のPCのメモ帳に書き記して、なんとなくデスクトップに保存してしまったまま… 記憶をたどりながら手元の携帯電話で探し直してもいいですが、それでは二度手間です。

クラウドを使ったサービスがこれだけ普及した現在では、どんな種類のデータでもオンライン上に保存しておくことがノマドワーカーの間では、ほぼ常態化してきました。iPhoneやAndroidフォンのアプリを活用すれば、PCで保存したデータをいつでも活用できる仕組みが出来上がっているためです。

Evernote、Dropbox、Sugarsyncなどのクラウドサービスが無料(あるいは安価)で一般向けに提供されています。メモ、写真、動画、プレゼン資料にいたるまで、ありとあらゆるデータを、いつでもどこでも参照できる環境が整いつつあります。

欲しい本リストもクラウドに保存しておくべきデータの一つです。
アマゾンの「ほしい物リスト」はクラウドサービスとは認識されていませんが、PCとモバイルデバイスの間でデータをリアルタイムにシンクできる点では、広い意味でのクラウドと言って差し支えないでしょう。

自宅でPCからボタン一つで登録しておいた「欲しい本データ」に、3G回線を通して、時と場合を選ばず参照することができるわけです。ブラウジングをしながら直感的に登録しておいたデータが、整然と並べられた形で一つのリストにまとめられています。データ形式を統一するために後で”清書”するともありません。労力をかけずに、体系化されたリストにモバイルからアクセスできることで、本来やるべき作業に集中できるという最大のメリットがあります。

長くなりましたが、今回はとりあえずアマゾンのほしい物リストを活用する「意味」について考えをまとめました。

それでは、実際にどうやってほしい物リストを使うのか?

次回は<実践編>をご紹介します。

2011年5月11日水曜日

【書評】リーディング3.0 ―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術

東京とハワイでデュアルライフを送る本田直之さんの新刊『リーディング3.0』をレビューします。

著者は2006年に、レバレッジ・リーディングという読書術を提唱。本の内容を単にインプットするだけでなく、それをアウトプットに結びつける方法を提案しました。書籍に費やすお金と時間を未来の自分への「投資」と位置づけるアグレッシブな読書法の普及に貢献したお一人です。

本書で本田さんは、レバレッジ・リーディングを「リーディング2.0」と位置づけ、クラウドやモバイルを活用した「リーディング3.0」へと発展させています。



リーディング3.0 ―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術リーディング3.0 ―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術
本田 直之

東洋経済新報社  2011-04-22
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この数年、ウェブ業界では電子書籍に注目が集まっていますが、本田さんはそれをあくまでメディアのひとつと捉えて、紙媒体やウェブ情報を含めてあらゆるメディアから情報を収集することの重要性を説いています。

その意味で本著は「紙の本は終わった」という単純な議論には汲みしていません。大切なのは紙か電子かではなくて、獲得した情報をアウトプットにつなげていくことなのだと。つまり、レバレッジ・リーディングでもリーディング3.0でも、その目的は一緒で、違うのはそこに至るツールとスキルなのだと言うことではないかと解釈しました。

本田さんは、クラウドやモバイルといった新たなインフラを活用する力を「ノマド・リテラシー」と呼んでいます。Evernote、Twitter、Facebook、RSSリーダー、iPhone、iPadなどは、私も普段から活用しているツールですが、これらを生産的な読書に活用する能力が問われているように感じます。

『レバレッジ・リーディング』で紹介された「レバレッジ・メモ」があくまでも紙ベースだったのに対し、「リーディング3.0」のそれはEvernoteとiPhoneを利用したクラウドベースのものへと移行していきます。
「・・・クラウドサービスが生み出したのは、制約のない働き方だけではありません。「制約のない読書」もこの時代の産物であり、これこそがリーディング3.0の本質です。」
と述べているように、クラウド時代の読書は「物理的な制約」「場所と時間の制約」「情報シェアの制約」を打ち破ります。

中でも大きな特徴は、「情報シェアの制約」で、アマゾンKindleが提供する「ポピュラー・ハイライツ」という機能はまさに革命的であると説明しています。これは、Kindle上でユーザーがどこに線を引いたかをDBに蓄積し、もっとも多く線が惹かれた部分を読者に教えてくれるというサービスです。
「世界中の全く知らない人が、本を読みながらどこに線を引いいているかを共有できる。これはいまだかつてなかった「シェア」時代の到来です。1冊の本という共通点で、多くの人の意見を知ることができるのです。」

「読み手の意見が、その本の読み方を創っていく。意見は日々変化し、更新される。」
これは「リーディング3.0」と「リーディング2.0」の決定的な違いで、時代を分ける画期的な出来事と言っても過言ではないように思います。

さらに、アウトプットのプロセスで欠かせないのが、TwitterやFacebookなど、ソーシャルメディア上での「シェア」活動。特にTwitterは、ブログと違って、読んだその場で共有できるので誰でもすぐに始めることができます。

自分の中だけで完結させるのではなく、他者との共有や(共有することによる)社会への「コントリビュート」を前提とすることが「リーディング3.0」の大きな特徴であり、魅力なのではないでしょうか。

他者や社会を意識し、その中での自分の役割を意識し、そこでどんなコントリビュートができるかを意識する。読書というものが、自分自身を知り、社会との関係を構築するプロセスになりつつあるということなのではないでしょうか。

この本は東日本大震災の前に執筆されたものだと思いますが、そう考えると本田さんが提唱する
「リーディング3.0」は3.11後の日本社会にとって決定的に大切なもののように思えてなりません。


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<目次>

Chapter 1 リーディング3.0時代の到来
Chapter 2 リーディング3.0の基本
Chapter 3 リーディング3.0に必要な6つの能力
Chapter 4 スマートフォンが読書を進化させる
Chapter 5 紙メディア・電子メディアの活用法
Chapter 6 読書からソーシャル・リーディングへ

2011年5月9日月曜日

よく使うフォルダにファイルを簡単保存する方法

今回は、ExcelやPowerPointなどのファイルを、よく使うフォルダに素早く保存するTipを紹介します。

Windowsでファイルを保存するときに、保存するフォルダを指定するのに面倒な思いをしている方は多いのではないでしょうか?オフィスソフトなどでファイルを新規保存をすると前回保存したフォルダがデフォルトで出てきます。ところが、別のフォルダに保存しようと思った場合、上の階層まで戻って、そこから任意のフォルダにたどっていかなければなりません。

Windowsのドキュメントフォルダの階層構造は、頻繁に使うファイルを呼び出したり、新規にファイルを保存したりするのに必ずしも最適ではないのが実情。1回あたりかかる時間は短くても、それが毎回ともなると通算で費やす時間はかなりのものになります。

私も、以前はかなり面倒な思いをしていました。

そこで、プロジェクトの企画書やドキュメント類を、目的のフォルダに効率的に保存する方法をご紹介します。


お気に入りリンクによく使うフォルダを追加する
ドキュメントを保存する際、エクスプローラの左側に「お気に入りリンク」が表示されます。デフォルトで「デスクトップ」「最近表示した場所」などが登録されていますが、ここに任意のフォルダを簡単に登録することが可能です。

登録する方法は驚くほど簡単。



「お気に入りリンク」にドラッグ&ドロップするだけ
順番を並べ替える時も、「お気に入りリンク」内でドラッグ&ドロップすればOKです。

私は現在進行中のプロジェクトなど、頻繁にファイルを保存するフォルダを「お気に入りリンク」に登録しています。そうすることで、保存したいフォルダに一発でたどり着けるようになります。


右クリックの「送る」メニューにフォルダを追加する
例えば、仮でとりあえずデスクトップに保存したファイルを、ちゃんとしたフォルダに保存しておきたくなるケースもあると思います。その時に役立つのが、右クリックの「送る」で一発で目的のフォルダに送る方法です。

右クリックの「送る」は次のフォルダで管理されています。
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\SendTo

要は、ここの場所にフォルダのショートカットを作ってしまえばOKというわけ。


登録したいフォルダのショートカットをまずはデスクトップに作成。


デスクトップに作成したショートカットを上記のSendToフォルダにドラッグ&ドロップで送ります。

それで、右クリック「送る」の一覧の中に表示されるようになります。

ここで注意しなければいけないのは、「AppData」フォルダが隠しフォルダであるということ。つまり、コントロールパネルの「フォルダオプション」で全てのファイルを表示するを事前に選択しておかないといけません。

気をつけなければいけないのは、右クリック「送る」を利用しても、ファイルが移動するわけではないということです。つまり、元のファイルはそのままデスクトップに残っていて、それと同じコピーのようなものがそのフォルダの中に新規に作られるという形になります。

同一のファイルが複数あると混乱してどちらがオリジナルか分からなくなってしまうよという人は、片方のファイルを後で削除しておいたほうが良いでしょう。

私の場合、PowerPointのプレゼン資料を作る際に、ラフドラフトをデスクトップに保存しておくくせがあります。まだ、アイデアのぼんやりした輪郭しか持たない資料であるため、とりあえずメモがわりに置いておくわけです。

ところが、後でそのファイルを編集していくうちに、気分が乗ってきて、一気に本番用の資料に仕上げてしまうことがあります。

捨てても良いメモが、本番用のドキュメントへ。

デスクトップからプロジェクト用のフォルダへと「昇格」していくというケースが頻繁にあります。そんな時、地味に役立つTipです。

2011年4月26日火曜日

【書評】逆パノプティコン社会の到来

逆パノプティコン社会の到来』はジョン・キムこと、慶応大学准教授、金正勲さん日本語での初めての単著になります。私がまだ学生の頃、当時、大学院生として後輩の指導に当たられていたときの、金さんの冷静で的確な指導が印象に残っています。


ウィキリークスからフェイスブック革命まで 逆パノプティコン社会の到来 (ディスカヴァー携書)ウィキリークスからフェイスブック革命まで 逆パノプティコン社会の到来 (ディスカヴァー携書)
ジョン・キム

ディスカヴァー・トゥエンティワン  2011-04-16
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この本は、ウィキリークスを考えるための入門書でありながら、数多く出版されているウィキリークス本の到達点とも言える一冊です。ウィキリークスを勉強したい人が最初に読んで、ある程度学んだ後に再び読み直す。そんな一冊のように思います。


本書からは情報通信を市民のエンパワーメントにつなげていきたいという著者の問題意識を強く感じることができました。

金氏の関心は、「…ウィキリークスに象徴される『情報の透明化』の流れが、政府や大企業がもつ既存の権威体系にとって脅威となっていくこと、そして、その結果、高まる政府や大企業から市民への『パワーシフト』の可能性についてだ」(pp.7-8)と書いているように、ウィキリークスやフェイスブック革命がもたらす「可能性」を概念的な観点から丁寧に説明しています。

タイトルの中に、ミッシェル・フーコーというフランスの学者が概念化した「パノプティコン」という言葉が入っているため、とっつきにくいと思われるかもしれませんが、構成も日本語もとても分かりやすいです。(個人的には「パノプティコン」についてもう少し踏み込んでもらいたかったですが、その辺は「紙幅の都合上」=「大人の事情」という面があるのかな?笑 今後に期待)

金氏は米国での研究交流を通じて、ウィキリークスについての見識を深められたようです。しかし、日本の一部マスメディアにはウィキリークスが国益や既存の秩序を脅かす「テロリスト」的な存在とみなす傾向が見られます。ウィキリークスが市民や国民の生命を脅かし、危険にさらしているというニュアンスで語られることも多いように思われます。特に、ウィキリークスの顔であるアサンジ氏の別件逮捕以降、ウィキリークスがもつ社会的意義よりも、スキャンダラスな取り上げられ方をすることも目立つようになりました。

だからこそ、ウィキリークスの内部や、それを取り巻く状況を概念的にまとめた本書の冷静な分析が求められていると考えていました。ウィキリークスについては記述的な解説本が多く、このような視点から書かれた本はとても示唆に富んでいます。学生、ビジネスマン、ノマドワーカーなど、幅広い層に適しています。


この本は世界全体の状況を説明したものですが、3・11の日本社会を考える上でも重要なヒントを与えてくれます。

福島第一原発事故以降の日本社会でも、ソーシャルメディアを通じた情報流通が「市民」の持つ力が増大し、社会の進むべき方向を活発に議論をする土壌ができはじめているように思います。

既存のマスメディアでは放送されない情報を専門家の立場からUstreamで解説する研究者、Facebookを通じてボランティアを募ったり節電を呼びかける運動、個人が発信した情報を圧倒的な伝播力で拡散していくTwitter、情報を集約し被災地の情報を発信するブロガーの活動などがそうです。

政府や東電が一方的に発信する情報ではなく、生活者の視点からcriticalに分析しながら、真実を追求していく基盤がインターネットによって確立しつつあることが認識されつつあります。

とは言うものの、金氏は決して既存メディアを否定しているわけではありません。むしろ、プロフェッショナルの記者が持つ分析的な視点が、今後の情報化社会にこそ求められるのだと説明している部分があります。

私もかつてフリージャーナリストの協会のスタッフとして活動していた時期がありましたが、彼らの問題意識の高さや、発信する能力は、ソーシャルメディアと連携してこそ十分に発揮されると感じていました。ソーシャルメディアと既存メディアが同じ視点に立つことで、相互にその強みを発揮する社会のありかたを模索していく時だという思いを強くしました。

最後に、このブログではノマドワークとの関連を少し考えてみたいと思います。
ノマドワーカーというと、イコール「どこでもワーカー」というように捉えられがちです。そこでは、モバイル機器を携えて、カフェや新幹線などで場所を選ばず仕事をする人たちといったイメージが強いのではないでしょうか。

確かにそういう面もありますが、ノマドワークの本質はもっと別のところにあるように思います。

それは、家族との時間の過ごし方、働く時間、仕事の内容など、自分自身の生き方を組織に頼らず自己決定していくこと。働く場所を自分で選ぶということは、あくまでその一つに過ぎません。組織に使われるのではなく、逆に組織を利用する… そういうしたたかさも求められます。

自分の生き方を自分で決めることは、全ての決断を自分で行うことを意味します。その時に、何を基準に、誰を信用して、どのような情報をもとに決断をするのか?そのための「軸」を自分の中に持っておくことが常に要求されるわけです。

ウィキリークスやフェイスブック革命に象徴される情報流通の変革は、個人が自己決定するための重要な基盤です。政府や大企業が保身に走って情報の不透明さが極まるような社会状況では、個人が自己決定するために必要な情報が不足します。それでは、自分が決定しているように見えて、実は組織の考えた枠組みの中で泳がされることになってしまう。その意味で、ノマドワークにとってのウィキリークス・フェイスブック問題は、本質的な課題だと考えています。


ウィキリークスからフェイスブック革命まで 逆パノプティコン社会の到来 (ディスカヴァー携書)ウィキリークスからフェイスブック革命まで 逆パノプティコン社会の到来 (ディスカヴァー携書)
ジョン・キム

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<追記>
著者のジョン・キムさんよりコメントを頂きました。

2011年4月13日水曜日

オンラインでデザイン可能なブロガー名刺を作った


ノマドワークをする中で、個人的にソーシャルメディアで情報発信をする機会が増えました。

情報を発信することで、同じ関心を持つ人たち同士の繋がりが出来ますし、なにより情報発信を意識することで情報収集の効率やスキルのアップつながる側面があるように感じます。

メインに活用しているのは、Twitter、Facebook、そしてこのブログ。勉強会などでお会いした方々に、その後も情報交換をしたいというお話をいただくこともあり、その時にさりげなく渡せる名刺があれば便利だなと思っていました。

一般的には「ブロガー名刺」と言われていますが、私の場合はどちらかというと「ソーシャル名刺」に近いものを作りたいと考えていたところでした。


色々調べていく中で、オンラインでもデザイン可能なデザイン百貨店を見つけました。
結論を言うと、今まで作成した名刺の中ではもっとも満足度が高かったです。
実際に使ってみて、良かったポイントをまとめてみました。


デザインの作成から入稿までオンラインで完結
名刺のデザインをする際に、わざわざ画像編集アプリケーションを起動しなければいけないのは意外と面倒。そもそも、デザインを専業としている人ではない場合、ハイスペックなアプリケーションがPCに入っていないという方も多いと思います。

いざ名刺を作ろうとするとき、デザインをする段階で大きくつまづいてしまう方も多いのではないでしょうか?

このデザイン百貨店では、ブラウザでデザイン作業が完結します。Flashのプラグインを使った画像編集ツールが起動して、そこに文字や画像なりを自分で挿入していきます。すでにいくつかのテンプレートも用意されているので、それを編集するだけでもきれいなデザインにまとまります。


デザインしたものを一時的に保存しておいて、後で再編集できるのも良かったです。サイトにログ
インして、管理画面から保存したデザインを呼び出して変更することができます。名刺がなくなったときには、そのデザインを呼び出して再度同じものを発注することもできるようです。

プロのデザイナーの方々から見ると画像編集ツールのクオリティは満足のいくものではないかもしれませんが、シンプルなものならこれで十分なように思いました。


テンプレートのクオリティが高い
他の名刺サイトでもテンプレートが用意されていますが、正直しっくりくるものがなかなかありませんでした。デザインは人によって受け取り方は様々ですが、名刺が相手に与える印象はとても大切だと思っています。デザインができないからといって、そこは妥協したくない部分です。

このサイトでは、デザイナーさんがテンプレート作成に携わっていて、一般のユーザーはそれを利用することができます。全てのデザインはサイトで公開されていて、4/12現在、700件以上のデザインが登録されています。




デザインのカスタマイズも簡単
うれしいのは、用意されたテンプレートをカスタマイズできることです。
私は今回、個人のソーシャル名刺を作成するのが目的だったので、自宅の住所や会社名などは必要ありませんでした。実は私が利用させてもらったテンプレートには、当初自宅住所を記入する欄がありました。それをばっさり切り捨てて、シンプルなものに作り直して発注しました。

それよりも、TwitterやFacebookのアカウント、ブログ名やURLの方が重要な情報なので、それらを追記しました。

さらに、誰が見てもすぐにそれが目に飛び込んでくるように、アイキャッチでソーシャルアイコンを利用しました。解像度が若干微妙でしたが、ハンドライティングのソーシャルアイコンを活用させていただき、名刺に遊び心を加えてみました。


このテンプレートをデザインされた方には申し訳ないですが…
おかげで納得の良くデザインに仕上がりました。

正直、価格的にはもっと安くできるところもありますし、自分でプリントしたやつで十分という方も多いと思います。名刺の位置づけは人それぞれですので、どれが正解というものではありません。ただ、名刺で自分の社会関係を広げたいと戦略的に考えているなら、多少割高でも満足度が高いところで作ることを選択肢に入れてもいいかなと思います。

ちなみに、私の場合、会社員である傍ら、個人事業主として青色申告もしていますので、領収書を発行してもらうケースが頻繁にあります。「お宛名は?」と必ず聞かれるのですが、その際にこの名刺を見せるようにしています。

会社の名刺を見せてもいいのですが、そうすると会社名を書かれてしまうので、わざわざ「個人名の方でお願いします」と言わないといけないんですよね。これを作ってからは、そういう事がなくなりました。

2011年4月11日月曜日

震災から1ヶ月。ブログ更新再開します。

震災から1ヶ月経ちました。

このブログは地震から1ヶ月ほど更新が停止していました。
あの日から私たち家族の生活環境も大きく変わり、慌ただしい毎日が過ぎていきました。
でも、季節も春になって、ようやく落ち着いてきたことからブログの更新を再開します。


3月11日。
2ヶ月半になる娘の初めての1泊旅行で、新浦安に向かう途中の東京駅のプラットフォームで地震にあいました。
目の前でコンクリートが崩落し、家族を守ることで精一杯でした。その日は、新浦安には向かわず(向かえず)、娘を抱えたまま3時間半かけて歩いて帰宅しました。

帰宅難民となった人たちの列に紛れて歩いているときは気が張っていたのですが、帰宅後にどっと疲れが出て10日ほど微熱の状態が続きました。震災の被害や原発のニュースを見て、精神的なストレスを感じたのも問題だったかもしれません。

そういうわけで、なかなかブログの更新に意識が向かいませんでした。

これだけでも精神的にきつかったのに、実際に大きな被害をあわれた方の状況を思うと胸が押しつぶされそうになります。

目まぐるしく状況が変化した1ヶ月でしたが、その中で個人的にいくつかの「変化」がありました。
おそらくこの「変化」が、これからの私の意識に大きく影響するだろうと感じています。


■生活の変化
個人的なことですが、一時的に生活の拠点が東京から大阪に移りました。
計画停電などのリスクを考慮して拠点の分散化を図る会社方針の一貫で、3ヶ月の子供と妻と一緒に大阪での生活が始まりました。

一ヶ月前には全く想定していなかったことです。

私自身、観光以外で関東を出た経験がなかったので、何もかもが初めてのことばかり。準備作業に追われていましたが、新しい経験が新しい気づきをもたらしてくれています。東京で「当たり前」と思っていたことが、ここでは決して当たり前ではない。逆に東京では想像できないものが、ここでは普通に営まれている。大学生の時に大阪から東京に来た人たちが19歳で経験していることを、35歳になる年に経験しているところです。


■ノマドワーキング感の変化
新しい環境の中で、自分の中のノマドスタイルも変化しつつあると感じています。私としては、「変化」というよりも「深化・進化」と捉えたいと考えています。

いまも、この文章を妻を病院に送った待ち時間に車の中で書いています。東京と違って、大阪の郊外は車社会。電車とバスで簡単に移動ができてしまう東京とは別のワークスタイルがあるわけです。

しかし、逆に環境が違っても東京と同じインフラを使うこともできます。例えば、イーモバイルやiPhoneは普通に使えますし、スカイプがあれば世界中の人たちと無料で話ができます。また、クラウドにデータを置いておけば、東京から荷物を大量に持ち運ばなくても、いつでも必要な資料を引き出すことが可能です。

頭では理解できていても、今回のように実感できたことの意味は大きいと思っています。海外でノマド的に仕事をしたことは何度もありましたが、逆に国内ではそういう機会が少なかったので気付かされることがとても多いです。


■ライフスタイルの変化
福島第一原子力発電所の事故以来、私の周りではライフスタイルを変えたいと意識する人たちが増えました。電気を大量に消費するモノに囲まれながら、その環境を当たり前と思っていた日常から、「これはほんとうに自分に必要なの?」と問いかける生活に変わりつつあると思います。

「当たり前」と思っていたものを問い返す。

それは自分自身、何がしたいか、どんな生き方をしたいかを常に考えて暮らすことにつながることでしょう。

日々の暮らしの中でつい忘れがちですが、常に自分自身を問い返すことが仕事をする上でも生きてくるものだと感じています。

「当たり前」を疑って、私自身の生き方や、それを取り巻く社会のシステムのあり方を常に進化させていくこと。もう一つのより良い社会にむけて、想像力や構想力をみんなで醸成していくこと。
沢山の悲しい出来事がありましたが、それを乗り越える一つのきっかけがそこにあるような気がしてなりません。


先日、妻と娘と一緒に小さな公園に咲く桜を見に行きました。
娘にとって初めて見る満開の桜。
来年も、再来年も同じような穏やかな気持で、春のこの季節を向かえられるように。