2011年6月22日水曜日

やりたいことリストを”ゆる~く”管理して目標を確実に実現する方法

「最高の人生の見つけ方」というモーガン・フリーマンとジャック・ニコルソン主演の映画を見たことはあるでしょうか?癌で余命宣告された二人が「バケットリスト」に書かれた「やりたいこと」を一緒に達成していく過程で、人生の最期に本当に大切なものを見つけていくというものです。

早いもので2011年も半分が経過しようとしています。充実した1年にするために、下半期の抱負を考えている人も多いかもしれません。しかし、高尚な目標を掲げてしまったがために、早々に挫折を味わったという経験は誰もが1度はあるのではないでしょうか?自分で掲げた目標のせいで、無駄に敗北感を味わうことほど無意味なことはありません。

そこで、この映画のようにワクワクすることを中心に「バケットリスト」=「やりたいことリスト」を気軽にまとめるところから始めてみるのはどうでしょうか?やりたいことを一つずつ達成していくだけで、自分が成長していく実感を味わえる方法をご紹介します。

(1)やりたいことをひたすらリストアップ

  •  50~100くらいにはすぐにリストアップできる。
  •  仕事、プライベートなんでも含める
  •  「カーテンを買い換える」など、ほんの些細なものでも構わない。「愛犬の冬服について色々考える」という程度の曖昧なものでもとりあえずOK。
  •  「タスク」ではないので具体的にイメージできていないものでもなんでも

最初のステップは、とにかく「やりたいこと」をリストアップしていく作業です。1枚の紙とペン、あるいはPCの場合はメモ帳を用意しましょう。使うものは、とにかくシンプルでまっ更な状態のものがベストです。

そして「やりたいこと」をひたすら箇条書きしていきましょう。「実現できそうもない」とか、「時間がかかりそう」とか、「こんなことを書いた笑われそう」とか、そんなことは何も考えずに、とにかく書く。誰に見せるわけでもないわけですから、どんどん書きこんでいきましょう。

仕事のことだけでなく、プライベートのこともどんどん書いていきます。むしろ、プライベートのことを多めにするくらいが調度良かったりします。気がつくと50~100くらいは、すぐにリストアップしているのではないでしょうか。自分でもこんなにあったのかと驚くことでしょう。自分の欲求の棚卸(たなおろし)のような感覚で、やるといいです。

一番のポイントは、ワクワクすることを中心に書いていくことです。バケットリストの一番のポイントはそこにあります。決して「やらなければならないものリスト」にならないようにする必要があります。

書く内容はどんなレベルのものでも結構です。「こんな程度が低いものは書いたらダメ」というルールはありません。「カーテンを買い換える」など、ほんの些細なものでも大丈夫。「愛犬の冬服について色々考える」くらいの曖昧なものでも、この段階ではとりあえずOKです。

箇条書きをするというと、「タスク」を書きだすようなイメージがありますが、ここに書くのはあくまで「やりたいこと」。タスクにまとめる作業は一番最後にやりますので、ここでは具体化していなくても、とにかく楽しくなることを中心に書きこんでいきましょう。

(2)グルーピング

  • 「家族」「スキルアップ」「自分みがき」「仕事」「語学」など
  • すぐにできそうなもの(日付を入れる)
  • 来年中にやるけどすぐには実行できそうにないもの
  • 数年かかりそうなもの

一度書きだすと、そのリストは1枚の紙では書ききれないくらいに長くなっているかもしれません。取りとめがないように思うかもしれませんが、第1段階ではそれでOK。そのリストに一定の「秩序」を導入するのが次の段階です。

書き込んだリストを見渡してみると、何らかの傾向が浮かび上がってきませんか?共通したり隣接する項目があることに気がつくでしょう。

そこで、これらをグルーピングしていきます。例えば「家族」「スキルアップ」「自分みがき」「仕事」「語学」など。グループ分けは、皆さん違うものになると思います。リストアップした項目を、それぞれどこかに当てはめていきましょう。

この時に注意したいのは「その他」という分類は作らないこと。多少強引でも、とりあえずどこかに入れておくことにします。「その他」というのは、便利な分け方ではありますが、その時点で思考を停止させるリスクがあります。

(3)全体バランスの見直し

  • 全体のバランスを見渡してみる。
  • グルーピングして見えてきた「弱み」を見つける

グルーピングが終わったらそれをざっと見直してみましょう。見直す際のポイントは「バランス」。たくさんリストアップされた項目に比べて、極端に少なくなっているところはないでしょうか?

例えば、「同窓会を開く」「社内でHTML5勉強会を主催する」を「人との関係を広げる」というグループに入れたと仮定します。あなたは、同業・異業を問わず人間関係を豊かにしたいと長年思っていたとしましょう。ところがこれでは、具体的な行動が他の項目に比べて少なすぎる…

なんとかしたいと思ったら、「やりたいことリスト」に「人との関係を広げる」ためにやりたいことを追加していきあます。「セミナーに参加する」「オフ会を開催する」など具体的にイメージできる場合は結構ですが、この時点では何も思い浮かばないかもしれません。

その場合、「人との関係を広げるにはどうすればいいか考える」という程度の項目を書き足しておけば大丈夫です。その時大切なのは、具体的に思い浮かばないことに対してネガティブな気持ちにならないこと。明確にやるべきことが分かっているなら、最初からリストアップの作業をやる必要はないわけですから。むしろ、自分の可能性を広げていくイメージを膨らましていく作業に楽しみながら取り組むことが大事だと思います。

(4)スケジュールへの落し込み

  • ここまでできたら、スケジュールにざっくりと落としこんでみる。「○○1月~3月」という程度でOK。ひとまず「すぐにできそうなもの」を大きくスケジュールに組み込んでみる。
  • ここまでできたらタスクに落としこめる。「ビジネス英会話を習う」だったら、「学校を調べる」「資料を請求する」「体験授業に申し込む」など。

ここまできたら、大まかなスケジュールに落としこんでみましょう。「◎◎1月~3月」と、ざっくりとしたものでOK。リストの中から「すぐにできそうなもの」や「わくわくすること」をピックアップして、それを最初に取り組んでいくといいと思います。物事に取り組む順序も「わくわくすること」を優先して構いません。

そんな楽しいことばかり優先してはダメと思うかもしれませんが、やらないといけないことが溢れている現代人にとっては、むしろそのほうがバランスが良いと割りきってしまいましょう。ためらうことなく、やりたいことを優先に考えていきましょう。

そして、この段階になって初めて「タスク」に落としこむことができます。「ビジネス英語を習う」だったら、「学校を調べる」「資料を請求する」「体験授業に申し込む」などが初期タスクとして思いつきます。そして、とにかく最初のタスクに取り組んでみること。そうすると、その後の流れは意外とスムーズに進んでいきます。

(5)やりながら常に見直す
リストを作ったら、定期的に見直す癖をつけましょう。見直すたびに、進むべき方向を再度確認することができますし、その都度、軌道修正することができます。見直す間隔は1週間でも、2週間でも、1ヶ月でもかまいません。自分のペースでOKです。

私は2週間に一度くらいチェックするようにしています。カテゴリーごとの進捗を見なおして、どこか一つに成果が偏っていることが判明したりします。その場合は、日頃の自分の生活のリズムを見なおして、バランスを保つように「補正」をします。実際にすぐに軌道修正するのは難しいですが、常に意識できていることが大切だと思います。

私はいつでも見直せるようにEvernoteにリストを登録しています。Evernoteにまとめておけば、iPhoneなどのスマートフォンアプリで、時間と場所を選ばず、すぐに確認できることができます。このリストには、将来の自分の目標に向かって「自分がやりたいこと」が詰まっているので、チェックするたびにモチベーションが上がっていくのが分かります。

モチベーションを維持して、テンションをコントロールするためにとても役立つテクニックです。


リストを作るに当たってのポイント
最後にバケットリストの作成に当たってのメンタリティについてまとめてみます。

  • 「やりたいことリスト」は「やらないといけないことリスト」ではありません。ワクワクすることを中心に組み立ててみましょう。
  • 高尚な目標を掲げることが目的ではありません。あくまでも「妄想ノート」的な感覚で頭に浮かんだことやワクワクすることを書き留めてみましょう。
  • 見直しをしたときに、出来ていなくても挫折感を味わう必要はありません。
  • 達成したら線を引いていく

2011年6月20日月曜日

【書評】7つの制約にしばられない生き方

7つの制約にしばられない生き方
7つの制約にしばられない生き方本田 直之

大和書房  2011-04-23
売り上げランキング : 4166


Amazonで詳しく見る

「もし、今のあなたの生活に何の制約もなければ、どんなライフスタイルを送っていると思いますか?」

筆者の本田直之さんが行った、Twitter上での問いかけです。
多くの人は制約を受けながら生活をしているとは考えていないと思います。特に大きな不都合を感じていないし、仕事もしていれば何かにしばれているという感覚を持つことはないのではないでしょうか。

しかし、本書を読み進めるうちに、「制約」とは、私たちが「常識」として内面化しているものの中にこそ存在していることに気付かされます。

「満員電車に乗らないといけない」、「家は通勤圏に1戸しか持たない(借りない)」という誰もがなんとなく当たり前だと思っていることが、単なる「思い込み」でしかないのでは?誰かが作った常識を疑って、制約を取り払ったところに実現する自分のライフスタイルを思い描いてみる。ノマドワークを実践するための「制約のない生き方」の前提がそこにあるのではないかと感じました。

本書では、「時間」「場所」「人間関係」「お金」「働き方」「服装」「思考」という7つの制約から自由になるための(1)覚悟・考え方(2)スキル(3)やり方・実践方法を順序立てて紹介しています。

外部からの負荷(やらされてる感)ではなく、自分の中から湧き上がるモチベーションに支えられて、内部からの強制力で駆り立てられていくことが、こうした制約を打ち破るために欠かせないということが伝わってきます。

自分の目標やゴールを実現するために、自分で負荷をかけていくこと。それは、外部からの負荷によって動くのとは、まったく別の結果をもたらすことが説得力を持って語られています。

若い頃に、単身アメリカに留学をして、その後に数々の成功を収めてきた著者が実践をしてきたことが書かれているだけに、読む側に迫ってくるものがあります。今では、本田氏は1年の半分ずつをハワイと東京で過ごす「ディアルライフ」を実践中です。まさに、場所という制約にとらわれない「ノマド」なライフスタイルと言えるでしょう。

20代向けに書かれた本ですが、これからノマドワークを実現したいと考えている30代の中堅が読んでも色々参考になるのではないでしょうか。

7つの制約にしばられない生き方
7つの制約にしばられない生き方本田 直之

大和書房  2011-04-23
売り上げランキング : 4166


Amazonで詳しく見る

【目次】

第1章 7つの制約にしばられない生き方とは? 

  • 何も制約がなければ、あなたはどんなライフスタイルを送っているのか? 
  • 具体的に書いてみる 
  • 制約されないメリットとは? 
  • どうやったらしばられない生き方ができるか? 
  • 誰でもできる 
  • 会社・仕事選びも重要 
  • しばられない生き方のためにいま足りないことは?

第2章 必要な考え方は?

  • 覚悟する・リスクを受け入れる 
  • すべてを得ることはできないので、捨てる物を決める 
  • ゴーイングコンサーン、継続していくことを考える 
  • 考え方をリセットしてみる 
  • いろいろな考え方や価値観を知る 
  • 柔軟性を持つ・決めつけない 
  • 他人と比べない 
  • 周りを気にしない 
  • 順番を間違えない 
  • 同時にいくつもの仕事をする 
  • お金を払ってでもやりたい仕事をする 
  • 自分から動く

第3章 必要なスキルは?

  • タイムマネジメント力 
  • 検索力 
  • 営業力・パーソナルブランド力 
  • 右肩下がりのプランを立てる 
  • 素直力 
  • モバイルIT力 
  • お金の知識 
  • 自分で仕事をつくっていける力 
  • 流される力=ドリフト力 
  • 自分を知る 
  • メンタル力 
  • セルフモチベーション力 
  • 多読力 
  • 人間力 
  • 英語力=グローバルなコミュニケーション能力 
  • セルフマネジメント力 
  • コミュニケーション力・文章力・表現力 
  • カラダマネジメント力 
  • 工夫の仕方

2011年6月17日金曜日

起業志向のノマドワーカーがブクマすべき「お仕事マーケットプレイス」 8選

ウェブサイトのデザイン、HTMLコーディング、プログラミングなど、質の高いフリーランス(or制作会社)に仕事を発注できる「お仕事マーケットプレイス」の紹介です。

ノマド的な仕事をしながらWebサービスを作る場合、必要なスキルを持った人材のネットワークを迅速に構築→活用することが大切です。最近ではinstagramが社員4名でユーザー数500万人を抱える会社に成長するなど、少人数でもアイデアと能力次第で、大企業と同じ土俵で競い合える環境が整いつつあります。

「自分のアイデアを実現するために、必要な人材を活用したい。」

今回紹介するのは、そんな時に簡単に仕事を依頼できるサイトです。あなたの依頼に関心がある人が応募をして、条件が合う人を選定。その後、発注したものを納品してくれる仕組みです。面倒な契約関係も、サイト側とフリーランスの間で処理してくれていることもあるので、面倒な手続きも省くことができます。納品後にサイトを通じた決済を行うので、お金を払ったけど逃げられた…という最悪の事態も回避できます。

今回は、そんな「お仕事マーケットプレイス」を5つ紹介します。

Lancers


さぶみっと


楽天ビジネス


トップランサー


Odesk(英語)


Elance(英語)


guru(英語)


vWorker(英語)


現在は、ウェブを通じていくらでも人脈を築ける時代です。アイデアをいつまでも寝かしておくことなく、迅速なサービス構築とビジネス展開を行ってみてはいかがでしょうか。

2011年6月15日水曜日

WIRED(ワイアード)の再スタート第1号


日本版が再スタートを切った「WIRED(ワイアード)」を先日購入しました。
GQ JAPANの増刊号という形での発売になります。



WIRED (ワイアード) VOL.1 (GQ JAPAN2011年7月号増刊)
WIRED (ワイアード) VOL.1 (GQ JAPAN2011年7月号増刊)
コンデナスト・ジャパン  2011-06-10
売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る by G-Tools



特集は「テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」

AIやアルゴリズムが進化した世界で生じる事象や課題について、主に米国の事例を中心に紹介されています。その他、スマートグリッドやクラウド音楽など、ウェブと連動したフォーラム企画なども行われています。以前のワイアードを知っている往年のファンも、現在では30代~40代に突入している今、若い人たちをどう巻き込んで発展していくのか個人的には期待しています。


個人的にはチェルノブイリの現在を取材した「チェルノブイリ25年目の”楽園”」に注目をしました。人間の立ち入りが禁止された地域が現在、絶滅を危惧された野生動物の生息地になっていることや、放射能の遺伝的影響に関して科学者の間で(政治的野心も絡んだ)解消しがたい亀裂が走っていることなど、福島第一原発の事故以前にはメディアに取り上げられることのなかった実態が描かれています。

なお、先ほど紹介したチェルノブイリの記事をはじめ、本書の記事のいくつかはウェブ上で公開されています。


◆OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?
20世紀の科学技術が夢に見た「明るい未来」を、いまぼくらは生きている……はずだが、
想像していた「未来」とはちょっと違わない?
テクノロジーの進化とハピネスの増加。ちゃんと比例しているのか、どうなのか。

- すでに世界はコンピュータが支配している 文/スティーブン・レヴィ
- ウォールストリート、暴走するアルゴリズム
- ぼくのiPhone が17 人を殺したのか?
- 「SNS」という罠 プライバシーが消えてゆく
- Netscape デジタル信号が旅する風景

◆特別取材 US版編集長 クリス・アンダーソンが語る「未来はすでにここにある」

◆WIRED大学 新・教養学部の課題図書50
創刊以来18年、時代の先端を走ってきた雑誌『WIRED』は、どんな考えに影響を受け、
どんな視点から雑誌を作ってきたのか。編集部が選定した10学科計100冊のなかから、
web投票をもとに選出された、WIRED大学「日本校」教養学部の課題図書50冊を一挙公開!
<全学科一覧> ワイアード文化科学的思考・オルタナティブな思考・コンピュータと
デジタルライフ経済とビジネス・近代と社会・システム、ネットワークと情報・科学
と創作・カウンターカルチャー・ギークカルチャー

◆今、ぼくらが気にすべき20の事象
ビジネス、政治、社会の「未来」への鍵がここにある? 2011年、ビジネスマンであれば
知っておかなければならない最新テクノロジーについて20の事柄をピックアップ。
01: 神のみぞ知る、夢のジュークボックスの行方
02: 「キネクトハック」が未来を拓く
03: 「ペイパル・マフィア」が世界を変える!?
04: さらばコードよ、タコ足よ。電気はワイアレスという新常識
05: プラチナバンド争奪戦、行方はいかに
06: ヘッドハンターたちが探し求める新しい「ギーク」のかたち
07: fourspuareとGowallaで「位置情報」ビジネスが過熱する
08: 「防火長城」は新しい「ベルリンの壁」なのか
09: CCTVは「防犯カメラ」か。それとも「監視カメラ」なのか
10: Googleも参入したスマートグリッドに死角なし?
11: レッド・マーケット。ようこそ「臓器」の闇市へ
12: クーポンビジネスとバーゲンジャンキーの経済学
13: クリーンエネルギーは誰を救う?
14: クルマの未来、視界良好?
15: 急速に研究が進む生命科学。もはや生命は、コンピューター上でつくられる?
16: カード詐欺の帝王「アイスマン」が遺した教訓
17: ネットにおける非言語サーヴィスの可能性
18: ETC1.5。その環境は整った
19: 「動画の学校」で世界はみな踊る
20: 摩天楼の売春をめぐる、「ヤバい社会学」


チェルノブイリ 25年目の“楽園”
メルトダウンから25年。いま、チェルノブイリをめぐって激しい科学論争が起きている。
原子炉の周辺区域は、畸形動物が生きる死の森なのか?それとも、絶滅危惧種のための新しい楽園なのか?

AR三兄弟の「未来から来た男」
科学の分野では時に、「どう見てもこの人、未来から来たに違いない」と思わざるをえない、
“ヴィジョナリー”たちに遭遇する。そんな彼らのアタマの中を探るべく、AR技術を駆使して
さまざまな実験的プロジェクトを敢行。果たして彼らは、どれほどの未来からやってきたのか。
- 原島博(東京大学名誉教授。専門はコミュニケーションの基礎を工学的に探ること。)
- 稲見昌彦(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。光学迷彩、五感拡張型インターフェイスなど人間の能力を拡張するシステムを多数開発。)
- 島村英紀(武蔵野学院大学特任教授。専門は、地球物理学。)

◆大野松雄 - 『鉄腕アトム』の音をつくった電子音の怪人

お金の未来 現金、カードはもういらない

◆FBI 暗号解読捜査官の憂鬱

◆ザ・プロトタイプ 20 世紀が見た夢

その”風”が生まれた、理由(ウェブ版:魔法の風を、可視化する)


WIRED (ワイアード) VOL.1 (GQ JAPAN2011年7月号増刊)
WIRED (ワイアード) VOL.1 (GQ JAPAN2011年7月号増刊)
コンデナスト・ジャパン  2011-06-10
売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る by G-Tools

2011年6月10日金曜日

【書評】あなたがいなくても勝手に稼ぐチームの作り方




あなたがいなくても勝手に稼ぐチームの作り方 (アスカビジネス)あなたがいなくても勝手に稼ぐチームの作り方 (アスカビジネス)
岡田 充弘

明日香出版社  2011-01-18
売り上げランキング : 15156

Amazonで詳しく見る


「…リーダーがオフィスにいないと仕事がまわらない状況は、チーム運営面では大変危険です。チームを長期的に成長させていきたいのであれば、リーダーであるあなたは今のうちに自分がいなくてもまわる状態にしておかなければなりません。」(p.15)

日本の大企業では、リーダーが手本となり、がむしゃらに働く背中を見せるという「風習」がいまだに残っているように感じます。ストイックに働くことに加えて、チームのメンバーを「監督」する…そんなイメージでしょうか。

本書が紹介するのは、それとは正反対のマネージメント術です。

  • リーダーがオフィスにへばりついていなくても、確実に成果をあげる仕組みを創りだす。
  • リーダーは社外の重要人物との交渉や関係構築に注力すべし。

そのためのチームづくりの考え方をまとめたのが本書です。

生真面目なリーダーなら、「オフィスにいないで外をほっつき歩いていたらメンバーに示しがつかない・・・」と考えるかもしれません。

でも、最も大切なのは、がむしゃらに働くことではなく、仕事を成果に結びつけることにあるはず。そのために、リーダーが自ら動くのではなく、部下の自立と成長を促して、彼ら自身が自発的に働いてくれる環境を作り上げる。これこそが、これからのリーダーに求められる資質と言えるでしょう。

筆者も紹介しているように、慣れないうちは全てを自分でチェックしたくなるし、ちょっとしたミスや不手際もあるでしょう。しかし、そこは我慢してじっとこらえる。そこが成功の大きな分かれ目になるような印象を受けました。

ただし、リーダーは単に外で暇を潰しているわけではありません。

クラウドが安価で誰にでも利用できる環境が整備された現在、外出先でいつでもチームの仕事の進捗を確認できます。情報を共有する仕組みを確立して、それを常に把握するシステムさえあれば良いのです。

顔が見えない分、部下に対しては、細心の配慮が求められます。各メンバーがどれだけ成長しているか、また特定のメンバーに負担がかかっていないか、などを把握することも求められるでしょう。

つまり、オフィスにいないと言っても、リーダーがなすべき役割を放棄するというわけではありません。チームがパフォーマンスを高めるために、リーダーが本来の役割に特化できる仕組みを創り上げようというわけです。

そのためには、高度なスキルや、効果なツール、突拍子もない精神論は必要ありません。Gmail、Googleカレンダー、Googleドキュメント、Skype、Dropboxなど、従来であれば大変高価なものが安価で、しかも特別なスキルなしで利用できる時代へと進化しています。

本書は、ウェブがもたらしてくれたテクノロジーを武器に、低成長の時代における新たなチームマネージメント術を提案してくれています。

個人で仕事をしているノマドワーカーも、ここから学ぶべきことが多いでしょう。
本書はあくまで会社組織を想定したものですが、ノマドといえども他の人たちとジョイントで仕事をすることも多いはず。ここで書かれている考え方や仕組みは、ノマド間での仕事を考える上でも大変に参考になると思います。

以下に目次を掲載しますが、ざっと眺めるだけでも自分に役立ちそうなネタがいくつも見つかるのではないでしょうか。

あなたとメンバーと会社のために最高のチームを作ろう
1章「あなたがいなくても勝手に稼ぐチーム」を作る 

  • リーダーが会社にいなくても「勝手に稼ぐチーム」の仕組みを作る
  • リーダーが社外との関係構築や交渉に専念できる
  • リーダーがチーム全体を俯瞰して課題解決にあたれる
  • 問題解決の機会を通じてメンバーの自立が早まる
  • 誰が急に欠けてもチームがまわるようになる 
  • 求心力型から遠心力型リーダーへ変化する

2章 変化に負けない仕組みを作る【チーム・マネジメント】 

  • 強く賢いチームより、あらゆる変化に負けない仕組みを作る
  • チームの「ミッション」と「バリュー」を決めて共有する 
  • チームの目標を3つの視点から設定し、個人目標へ落とし込む
  • メンバーの「役割」と「権限」を明らかにする
  • チーム全体の仕事量を調節する
  • 重要指標をオンタイムで押さえる仕組みを作る
  • メーラーを使った双方管理でタスクの漏れをなくす
  • 誰が欠けても対応できるよう日常業務をマニュアル化する 
  • あらゆるスケジュールを見える化し、共有する 
  • 知り得たナレッジをチームで徹底共有するルールを作る 
  • マニュアル整備と判断基準の共有でリーダー不在時のトラブルに備える
  • マルチロールシステムで役割をときどき入れ替える

3章 チームの生産性を高める【パフォーマンス・マネジメント】 

  • 「チーム最適」の視点で生産性を高める
  • 「時間を奪う要素」をオフィスから徹底排除する   
  • 「業務の標準化」でチームから迷いをなくす 
  • 「集中できる環境」をチームで作り出す 
  • 日々の連絡を密にして「ムダな会議」をスパッとやめる 
  • 費用対効果の高い「ITインフラ」に思い切って投資する 
  • メンバーの「ITリテラシー」を底上げする  
  • 業務をアウトソースしてメンバーは強みに集中させる

4章 メンバーのやる気を高める【モチベーション・マネジメント】

  • メンバーがやる気を高める仕掛けを作る
  • 普段からプロフェッショナルとしてメンバーを扱う
  • メンバーの評価指標・評価結果をガラス張りにする 
  • メンバーが自分で考える機会を増やし、気づかせる
  • オフィスを五感を刺激する環境に変える
  • メンターを設けて脱落を防ぐ 
  • 失敗から学ぶ仕組みを作る

5章 伝達効率を高める【コミュニケーション・マネジメント】 

  • コミュニケーションの伝達効率を高める
  • 「ホウレンソウ」を時代に合ったルールに変える 
  • 情報共有を徹底し、「単純なQ&A」を減らす 
  • チーム内のメールは極力簡潔に済ませる 
  • 些細な要件はメッセンジャーで即時確認し合う 
  • メールのエビデンス化で「いったいわない」をなくす 

6章 会議の生産性を高める【ミーティング・マネジメント】 

  • 会議のやり方を変えて生産性を高める
  • 会議の「目的」と「ゴール」を設定する 
  • 5W1Hで会議のアプローチを明確にする  
  • 会議を3ステップで周到にダンドリする 
  • 会議テンプレートに沿って漏れなくそつなく進行する 
  • 会議の後処理を即時、速やかに行う

7章 次世代リーダーの【セルフ・マネジメント】 

  • 身軽で決定力を備えたリーダーを目指す 
  • リーダーは「結果」と「行動」でメンバーの信頼を勝ち取る
  • どこででも働ける身軽さを身につける 
  • 情報を使いこなすプロになる 
  • 「タフネゴシエイター」ではなく「グッドネゴシエーター」となる 
  • 「ロジック」と「感性」を巧みに使い分ける  
  • 「心」と「体」のケアを怠らず安定したパフォーマンスを生む 

おわりに



あなたがいなくても勝手に稼ぐチームの作り方 (アスカビジネス)あなたがいなくても勝手に稼ぐチームの作り方 (アスカビジネス)
岡田 充弘

明日香出版社  2011-01-18
売り上げランキング : 15156

Amazonで詳しく見る

2011年6月8日水曜日

Gmail Labsからスターとサブラベルが昇格!

Gmail Labsから新しい機能が正式にリリースされました。
Gmailをブラウザで利用している人ならメールの活用の幅が広がる機能です。

  1. スター
  2. サブラベル

実験的取り組みを行うGmail Labsからの昇格です。

(1)スター
スターはこれまで黄色の星印のものが1つだけしかありませんでした。
それが、今回は一気に12個に増えて、スターの中身を分類することができるようになりました
各スターに「要返信」「緊急」「要プリントアウト」「あとで読む」的な役割を与えて、視覚的に管理をすることが可能です。

↑従来のスター。ここをクリックするごとに切り替わります。

↑こんな感じでスターの種類を変更することができます。


通常、メールといえば、仕事をしていると自分には直接関係ないメール、自分に返信が求められているメール、後でプリントアウトすべきメール(ホテルのバウチャーなど)と言ったように、様々なレベルのものが一緒くたに受信トレイに格納されてしまいます。

これらを整理する一つの方法がフォルダ分けです。しかし、ここで挙げた「要プリントアウト」や「要返信」といったものは、その用事が済めばわざわざフォルダに入れておく必要がありません。

そういったアドホックな用途で分類するのに便利なのがこのスター機能です。私は同僚に勧められてLabs時代からこのスターを活用してきました。

私の場合、黄色の星印は「要返信」、青の星は「保存版(アカウントなど)」、赤いビックリマークは「要プリントアウト」、緑のチェックマークは「要経過観察」という使い分けをしています。「保存版」というのは、ウェブサービスのアカウントや、サーバへのログイン情報など、別のドキュメントに後で保存しておくもののことを言います。経過観察というのは、MLなどで自分が返信はしないけれど、進展を注意してみておくべきものです。

これらは、用事が済めばスターを外します。「経過観察」もMLで話題が終了すればスターを外します。スターは一覧で表示ができて、いま自分がどんなアクションをしなければならないかが一目瞭然なので分かりやすいです。黄色と赤色が消えていくごとに、タスクを消化した充実感が得られます。

そうすると、Gmailの「スター」フォルダが自分のタスクトレイの代わりになってくれます。

設定も簡単です。

「メール設定」「全般」「スター」で、スター1個スター4個すべてのスターから選択可能です。


(2)サブラベル
これはGmailの「ラベル」にサブラベルを追加して、メールを階層構造でカテゴライズするものです。Windows Outlookで「フォルダ」に該当する機能を、Gmailでは「ラベル」と呼んでいます。

これまでGmailでは「ラベル」は第1階層までしか作成することができませんでした。

例えば以下のようにメール(or ML)をフォルダ分けが行えませんでした。
・クーポンサイトキックオフ
    ・営業企画
        ・東京
        ・大阪
    ・サイト制作
        ・デザイン
        ・システム
↑設定の方法は簡単でプルダウンメニューから「サブラベルを追加」を選ぶだけ。

↑そして、サブラベルの名称を入れます

↑すると、このように「@memo」という「親」に対して、「緊急」という「子」を作成できました。

ただし、ラベルを複雑にすると、設定の手間がかかりますし。どこまで階層化して整理するか、そのバランスを考えながら利用することが大切です。

2011年6月3日金曜日

「うっかり失効」を確実に防ぐためのGoogleカレンダー活用法

免許証やパスポートの更新、独自ドメインの延長など、頻繁にあるわけじゃないものに限って手続きを忘れてしまうとその代償は大きいもの。

特に免許証の場合は、期限を半年過ぎた「うっかり失効」さえも過ぎてしまうと、仮免許交付のための適性検査→本試験合格のための適性試験・学科試験・技能試験を受けなければならないはめになります。身分証明証替わりに使っているペーパードライバーにとっては、技能試験に受かるのは至難の業…

そんなトラブルを避けるための、ちょっとしたTipの紹介です。
ギークなネタを期待されてる方には物足りないかもしれませんが、ビジネスや日常生活でのリスクを減らすためにぜひともやっておきたい方法をご説明します。

やり方は簡単。Googleカレンダーに予定を組み込んで、事前に通知(アラート)を送るように設定しておくだけです。もちろん、Googleカレンダー以外にも、Remember the Milkなどのタスク管理ツールでもいいでしょう。


Googleカレンダーの通知設定
まずは、Googleカレンダーにログイン
http://www.google.com/calendar?hl=ja


↑予定を立てる日にカーソルを合わせて、「予定の詳細を編集」をクリック

↑詳細を設定します。
  1. 予定の「タイトル」を入力します。
  2. 「通知を追加する」をクリックします。
  3. 分、時間、日、週間がプルダウンで選びます。ここでは30日前に設定。
  4. 通知は「メール」と「ポップアップ」から選択できます。
なお、私は「プライベート」というカレンダーを事前に作っておいて、グループの他のメンバーとの共有をあえてしていません。別に見られて困るわけじゃないのですが、他の人にとっては「ごみ」情報をカレンダーから排除するためです。

↑こちらは通知メールの例。こんな感じでアラートが飛んできます。

ポップアップ通知の例。PCで作業中に、突然このように表示されます。

ちなみに、メールとポップアップ以外に自分の携帯メールに通知を送ることができます。
Googleカレンダーの右上のオプションボタンをクリックして、「モバイルの設定」を選択します。画像は携帯登録後の画面ですが、未登録の場合は「ユーザー名」に携帯メールアドレスの@より前の部分を入力して、プルダウンから自分の該当するドメインを選択します。

その状態で、「確認コードを送信」ボタンをクリックすると、携帯メールアドレスに確認コードが送信されてきます。その番号を「確認コード」に入力して「設定を終了」ボタンをクリックすれば完了です。

通知の方法はこのように3種類ありますが、3種類全てを、それも時間差で通知することも可能です。どうしても忘れたら困るようなものは、何度もアラートしてもいいかもしれません。


ついつい忘れがちなリスト
それでは、忘れがちな(でも絶対に忘れてはいけない)もののリストを簡単にまとめてみました。レンタルサーバなど1年毎の更新のものから、パスポートのように10年更新のものまで実に様々。また、逆に契約を解除することを忘れてはいけないものというのもあります。

このリストは皆さんそれぞれ異なると思います。
思いついたらその都度、Googleカレンダーに入れておきましょう。

日常生活関連
  • 運転免許証
  • パスポート
  • ESTA(電子渡航認証システム)※メールでも一応通知がきます。
  • 引越しの契約更新

切れたら困るもの
  • 独自ドメイン
  • レンタルサーバ

サービスによっては自動更新できるものもあります(私もそれを使っています)。ただし、自動更新の場合はまた別のリスクがあって、利用していないのに更新されてしまうケースも。

期限内に停止しておかないと困るもの

無料の”甘い罠”に誘われて登録したものの、無料期間が過ぎてしまい、自動的に課金されてしまうものも。特にアマゾンプライムは要注意。