2010年10月8日金曜日

Google Earthで縄文時代の東京をアースダイビング

多摩美術大学教授の中沢新一さんの『アースダイバー』の世界を体感できるウェブサービス「Earth Diver Map Bis」の紹介です。


Earth Diver Map Bis」は、Google Earthを活用して、現代と縄文時代の東京を重ねあわせながら、数千年以上前の東京を「アースダイビング」できるサイトです。
多摩美術大学の中沢新一ゼミと、首都大学東京大学院のチームによる合同作品です。

ことのきっかけは2005年に出版した『アースダイバー』という著書です。
まだ海面が現在よりも上昇していた縄文時代の記憶が、現代の街並みに影響していることを描き出しています。

縄文時代の東京の地形図を見ると、まるでフィヨルドのように入江が入り組んでいて、深い部分まで海水が入り込んでいたりします。

渋谷や恵比寿といった中心地も、かつては海の底。もちろん、お台場や東雲などの湾岸エリアは存在しうるはずがありませんね。


講談社のサイトのPDFを立ち読みすると、当時の地図はまるで人の脳の表面のようで、どこかグロテスク

著書には土地にまつわる物語やエピソードが豊富に紹介されていて、日常生活や観光では気づかない、「東京のもうひとつの顔」が垣間見えます。見慣れた景色を、別の角度から見ることで、新しいアイデアや生活のヒントが得られるかもしれません。

Earth Diver Map Bisの魅力を最大限に味わうには『アースダイバー』を読んだほうがベターですが、それがなくても十分に楽しむことができます。

利用するには、Google Earthを事前にインストールする必要があります。

右上の、神社、寺、遺跡、古墳、境界線、建物、稲荷などにチェックを入れることで、地図上にそれらをマッピングできます。かつて海面と陸の境界=岬だった部分に神社が多かったことなどが、一目で分かりますね。岬は神聖な場所で、死者が海に帰って、生まれ変わると信じられていた祭祀の場所だったようです。

上野から鶯谷、日暮里あたりで、山手線は、当時の海岸線に沿って走っていたり、東京タワーが神聖な地だった芝公園に建てられていたり、「考えもしなかった大昔の地形」が現代の私たちの生活に大きく影響している事実にも気付かされます。

数千年前の先祖と、ハイテク時代に暮らす私たちの間の「暗黙のコミュニケーション」のようにも思えてきます。


Earth Diver Map Bisには、写真投稿など、ユーザー参加型のインタラクティブな仕組みも用意されています。写真を添付してメールで送信する仕組みのようですが、GPSで位置情報を付加した写真を添付して送るだけです。著者が提示してくれた問題意識をユーザーと一緒に育んでいく。著者とユーザーの新しい関係のあり方も感じさせてくれるサイトです。



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