2011年6月22日水曜日

やりたいことリストを”ゆる~く”管理して目標を確実に実現する方法

「最高の人生の見つけ方」というモーガン・フリーマンとジャック・ニコルソン主演の映画を見たことはあるでしょうか?癌で余命宣告された二人が「バケットリスト」に書かれた「やりたいこと」を一緒に達成していく過程で、人生の最期に本当に大切なものを見つけていくというものです。

早いもので2011年も半分が経過しようとしています。充実した1年にするために、下半期の抱負を考えている人も多いかもしれません。しかし、高尚な目標を掲げてしまったがために、早々に挫折を味わったという経験は誰もが1度はあるのではないでしょうか?自分で掲げた目標のせいで、無駄に敗北感を味わうことほど無意味なことはありません。

そこで、この映画のようにワクワクすることを中心に「バケットリスト」=「やりたいことリスト」を気軽にまとめるところから始めてみるのはどうでしょうか?やりたいことを一つずつ達成していくだけで、自分が成長していく実感を味わえる方法をご紹介します。

(1)やりたいことをひたすらリストアップ

  •  50~100くらいにはすぐにリストアップできる。
  •  仕事、プライベートなんでも含める
  •  「カーテンを買い換える」など、ほんの些細なものでも構わない。「愛犬の冬服について色々考える」という程度の曖昧なものでもとりあえずOK。
  •  「タスク」ではないので具体的にイメージできていないものでもなんでも

最初のステップは、とにかく「やりたいこと」をリストアップしていく作業です。1枚の紙とペン、あるいはPCの場合はメモ帳を用意しましょう。使うものは、とにかくシンプルでまっ更な状態のものがベストです。

そして「やりたいこと」をひたすら箇条書きしていきましょう。「実現できそうもない」とか、「時間がかかりそう」とか、「こんなことを書いた笑われそう」とか、そんなことは何も考えずに、とにかく書く。誰に見せるわけでもないわけですから、どんどん書きこんでいきましょう。

仕事のことだけでなく、プライベートのこともどんどん書いていきます。むしろ、プライベートのことを多めにするくらいが調度良かったりします。気がつくと50~100くらいは、すぐにリストアップしているのではないでしょうか。自分でもこんなにあったのかと驚くことでしょう。自分の欲求の棚卸(たなおろし)のような感覚で、やるといいです。

一番のポイントは、ワクワクすることを中心に書いていくことです。バケットリストの一番のポイントはそこにあります。決して「やらなければならないものリスト」にならないようにする必要があります。

書く内容はどんなレベルのものでも結構です。「こんな程度が低いものは書いたらダメ」というルールはありません。「カーテンを買い換える」など、ほんの些細なものでも大丈夫。「愛犬の冬服について色々考える」くらいの曖昧なものでも、この段階ではとりあえずOKです。

箇条書きをするというと、「タスク」を書きだすようなイメージがありますが、ここに書くのはあくまで「やりたいこと」。タスクにまとめる作業は一番最後にやりますので、ここでは具体化していなくても、とにかく楽しくなることを中心に書きこんでいきましょう。

(2)グルーピング

  • 「家族」「スキルアップ」「自分みがき」「仕事」「語学」など
  • すぐにできそうなもの(日付を入れる)
  • 来年中にやるけどすぐには実行できそうにないもの
  • 数年かかりそうなもの

一度書きだすと、そのリストは1枚の紙では書ききれないくらいに長くなっているかもしれません。取りとめがないように思うかもしれませんが、第1段階ではそれでOK。そのリストに一定の「秩序」を導入するのが次の段階です。

書き込んだリストを見渡してみると、何らかの傾向が浮かび上がってきませんか?共通したり隣接する項目があることに気がつくでしょう。

そこで、これらをグルーピングしていきます。例えば「家族」「スキルアップ」「自分みがき」「仕事」「語学」など。グループ分けは、皆さん違うものになると思います。リストアップした項目を、それぞれどこかに当てはめていきましょう。

この時に注意したいのは「その他」という分類は作らないこと。多少強引でも、とりあえずどこかに入れておくことにします。「その他」というのは、便利な分け方ではありますが、その時点で思考を停止させるリスクがあります。

(3)全体バランスの見直し

  • 全体のバランスを見渡してみる。
  • グルーピングして見えてきた「弱み」を見つける

グルーピングが終わったらそれをざっと見直してみましょう。見直す際のポイントは「バランス」。たくさんリストアップされた項目に比べて、極端に少なくなっているところはないでしょうか?

例えば、「同窓会を開く」「社内でHTML5勉強会を主催する」を「人との関係を広げる」というグループに入れたと仮定します。あなたは、同業・異業を問わず人間関係を豊かにしたいと長年思っていたとしましょう。ところがこれでは、具体的な行動が他の項目に比べて少なすぎる…

なんとかしたいと思ったら、「やりたいことリスト」に「人との関係を広げる」ためにやりたいことを追加していきあます。「セミナーに参加する」「オフ会を開催する」など具体的にイメージできる場合は結構ですが、この時点では何も思い浮かばないかもしれません。

その場合、「人との関係を広げるにはどうすればいいか考える」という程度の項目を書き足しておけば大丈夫です。その時大切なのは、具体的に思い浮かばないことに対してネガティブな気持ちにならないこと。明確にやるべきことが分かっているなら、最初からリストアップの作業をやる必要はないわけですから。むしろ、自分の可能性を広げていくイメージを膨らましていく作業に楽しみながら取り組むことが大事だと思います。

(4)スケジュールへの落し込み

  • ここまでできたら、スケジュールにざっくりと落としこんでみる。「○○1月~3月」という程度でOK。ひとまず「すぐにできそうなもの」を大きくスケジュールに組み込んでみる。
  • ここまでできたらタスクに落としこめる。「ビジネス英会話を習う」だったら、「学校を調べる」「資料を請求する」「体験授業に申し込む」など。

ここまできたら、大まかなスケジュールに落としこんでみましょう。「◎◎1月~3月」と、ざっくりとしたものでOK。リストの中から「すぐにできそうなもの」や「わくわくすること」をピックアップして、それを最初に取り組んでいくといいと思います。物事に取り組む順序も「わくわくすること」を優先して構いません。

そんな楽しいことばかり優先してはダメと思うかもしれませんが、やらないといけないことが溢れている現代人にとっては、むしろそのほうがバランスが良いと割りきってしまいましょう。ためらうことなく、やりたいことを優先に考えていきましょう。

そして、この段階になって初めて「タスク」に落としこむことができます。「ビジネス英語を習う」だったら、「学校を調べる」「資料を請求する」「体験授業に申し込む」などが初期タスクとして思いつきます。そして、とにかく最初のタスクに取り組んでみること。そうすると、その後の流れは意外とスムーズに進んでいきます。

(5)やりながら常に見直す
リストを作ったら、定期的に見直す癖をつけましょう。見直すたびに、進むべき方向を再度確認することができますし、その都度、軌道修正することができます。見直す間隔は1週間でも、2週間でも、1ヶ月でもかまいません。自分のペースでOKです。

私は2週間に一度くらいチェックするようにしています。カテゴリーごとの進捗を見なおして、どこか一つに成果が偏っていることが判明したりします。その場合は、日頃の自分の生活のリズムを見なおして、バランスを保つように「補正」をします。実際にすぐに軌道修正するのは難しいですが、常に意識できていることが大切だと思います。

私はいつでも見直せるようにEvernoteにリストを登録しています。Evernoteにまとめておけば、iPhoneなどのスマートフォンアプリで、時間と場所を選ばず、すぐに確認できることができます。このリストには、将来の自分の目標に向かって「自分がやりたいこと」が詰まっているので、チェックするたびにモチベーションが上がっていくのが分かります。

モチベーションを維持して、テンションをコントロールするためにとても役立つテクニックです。


リストを作るに当たってのポイント
最後にバケットリストの作成に当たってのメンタリティについてまとめてみます。

  • 「やりたいことリスト」は「やらないといけないことリスト」ではありません。ワクワクすることを中心に組み立ててみましょう。
  • 高尚な目標を掲げることが目的ではありません。あくまでも「妄想ノート」的な感覚で頭に浮かんだことやワクワクすることを書き留めてみましょう。
  • 見直しをしたときに、出来ていなくても挫折感を味わう必要はありません。
  • 達成したら線を引いていく